日時 2007/10/24 A.M5:51
場所 北海道 開陽台キャンプ場
F値 9.5
露出時間 1/350
北海道の東部に位置する標津郡中標津町には、開陽台という小高い丘がある。
小高い丘には展望台があり、展望台からはほぼ360度の地平線を望む事ができるという素晴らしい眺望が広がっている。
ここはテントを張ってキャンプする事が許可されていて、ライダーの聖地と呼ばれる事もある。
私が訪れたのは10月下旬。無茶苦茶寒かった。だからなのか、ライダーの聖地と呼ばれているにもかかわらず、他にライダーは誰もいなかった。
日中は観光客が訪れてひと気があるが、夜になるとポツンと一人になった。
キャンプ場とは言っても、特にキャンプ場としての施設がある訳ではなくて、テント貼るのが許可されているってだけだ。
夜は自分でバーナーとコッフェルでお米を炊き、買ってきたお惣菜とで晩ごはんを済ます。
10月下旬の道東の夜は相当寒い。
用意しておいた750mlの梅酒をストレートで1本飲んだが、寒いからなのか、酔った感じは一切しない。
寝袋にくるまってなんとか寝ようとするが、これまた寒さでなかなか寝付けない。
やっとまどろんでしばらくした頃、さっき飲んだ梅酒が尿意となって脳を刺激する。
手元にあった携帯電話を見ると、時間は3時頃。マジかよ勘弁してくれよとつい自分の身体に文句を言うが、尿意はおさまってくれない。
でも寒くて外に出たくないので、10分ぐらいは尿意と格闘してもじもじしたが、あきらめてトイレに行く事にした。
テントのジッパーを上げ、身をかがめて外に出た瞬間、声にならない声が出た。
今まで見た事も無い満天の星空が!
星空はおそらくは地平線であろうあたりまでびっしり広がっており、突然ポイっと星空の中に放り込まれたようだった。
一瞬尿意を忘れかけたが、とりあえずおしっこを先に済ませて、じっくりと星空を眺める。
へぇー、オリオン座って本当に人の形してるんだ。オリオンが狩人なのは何となく知ってたものの、普通は太鼓みたいな形しか見えないからどこが人なのかわからなかったけど、この星空を見れば納得できる。
本当に狩人だった。ちゃんと人の形をしていて、しかも身体の右側に弧を描いた弓と、弓の真ん中らへんに伸びる矢まで見える!
きっと昔の人達はこういう降ってくるような星空に人や動物の姿を見ていたのだろう。
星座って無理くりなこじつけばっかりだと思ってたのは、空気が汚れて見える星がどんどん減っていっているからなんだ。
もっとずっとこの夜空に散りばめられた星々を見ていたかったけど、寒くて身体が凍えたのでテントの中に戻り、また寝袋にくるまった。
とりあえず尿意のおかげでとても良いものが見れた。ありがとう尿意。さっきは文句言ってごめんよ。
もともとこの開陽台キャンプ場から日の出を見るのが目的の一つだったので、朝、気合で起きた。
テントの外に出ると、既に空は白んでいるが、まだ薄暗い。展望台へ登り、バーナーでお湯を沸かしコーヒーを淹れ、冷えた身体を少し温める。
地平線まで続く平原の先に、今日の新しい太陽が赤く輝いている。
ほぼ360度の地平線も、満天の星空も、赤く輝く太陽まで、全部独り占め。
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