今回はダミアン・ライス(Damien Rice)というアイルランドのアーティストを。

私がダミアン・ライスを初めて知ったのは中国を旅していた時。
新疆ウイグル自治区の宿で同じドミトリーになったイギリス人チャリダーの若者から教えてもらった。
イギリス人チャリダーはまだ若く、チャレンジ精神に溢れていて、ヨーロッパから中央アジアを通って中国まで来たという。
新疆ウイグル自治区の宿だけあって他に旅行者は少なく、ドミトリーには私とそのイギリス人だけ。
彼とは一緒にフリスビーして遊んだりご飯食べに行ったりして色々と話した。
ある時、ドミトリーの中で彼がパソコンで流していた曲を聴いて「え、ちょっとこの曲誰の?」と尋ねた。
そこで返ってきた返事がダミアン・ライスだった。
気になった曲は「O」の最後に収録されている「Eskimo」という曲。
途中、曲調が変わるところがとても印象的で、何だコレ!ってなった。

それがきっかけで、もう1枚アルバムを聴いてみたら、もっと良かった。
2006年にリリースされた「9」というアルバムは「O」よりも曲調が多彩になった感じがある。
私が最も気に入ったのは3曲目の「Elephant」という曲。
曲はシンプルで、前半はドラムもベースもなく、ギターと若干のストリングスだけ。後半はドラムなども入って盛り上がりがある。
声の抑揚といい、メロディーといい、哀愁といい、歌詞はちゃんと理解できんけど心に染みる。
3分40秒で大きく歌いあげる時の声は毎回聴く度になんかぞわっとする。琴線に触れるというか。

彼は、小細工とかギターの速弾きとかでなく、純粋に歌詞と歌声とメロディーを大事にして歌っている。
こうやってちゃんと歌声だけで聴かせるアーティストの歌を聴くと、歌っていいなぁとしみじみ思う。

ちなみに、私が会ったそのイギリス人チャリダーの若者は、後に、本来取得しなければならないチベット自治区のパーミッション(入域許可証)を取得せずにチベット入りし、ネパールまで抜けるというのが旅の目的だった。
宿で聞いた、彼の綿密な計画には驚いた。
まず、公安から荷物チェックされたとしても見つからないように、チベット自治区の精細な航空写真をバッグの二重底に隠し持ち、チェックポイントを避けて抜けられる場所を確認できるようにする。
そして、ヘルメットから何から全部ビニールテープで黒くするなどして全身を闇夜にまぎらせて真夜中にこっそりチベット自治区に入り込む。
最初その計画を聞いた時は、「いやーそんなムリだろ。危険過ぎる!」と思ったけど、彼は成し遂げた。
本当にパーミッション無しでチベット自治区に自転車で入り、無事ネパールへ抜けた。
信じられない。
どいつもこいつもすげえよまったく。

【輸入盤】9 [ Damien Rice ]

価格:1,914円
(2020/1/13 22:28時点)
感想(0件)


にほんブログ村 旅行ブログ 旅日記・旅の思い出へ

旅先で会った良い音楽 <Bastille>
旅先で会った良い音楽 <Conor Maynard>
旅先で会った良い音楽 <Chris Rea>
トップページへ

こちらもどうぞ

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です