これには久しぶりに度肝を抜かれた。初音ミクが歌う朝顔節。

今はそうでもないが、昔私はネット社会に結構どっぷり浸かってた頃があって、その頃はちょうど「萌え」という単語が定着していった頃だったので萌え文化の影響を受けたりもした。
しかし、ロリにも繋がる危うい萌え文化や、単調な萌えイメージに飽きて、案外あっさり卒業した。
卒業した後に、「初音ミク」という名前を小耳にはさむようになったが、別に興味は湧かなかった。
初音ミクが人気になりすっかり定着した後に、テレビで初音ミクの立体ライブ映像を見て「世の中がどえらい事になっとる!」と驚きはしたが、曲は一切聞いた事が無かった。

ところが。
オーストラリアでキャラバンパークというキャンプ場みたいな施設に滞在していた時、Aくんという日本人と一緒の部屋になり、我々はそれぞれ音楽を流しながら色んな話をしたのだが、そこでAくんが流したのが初音ミクの「朝顔節」だった。
まず「朝顔節」とは、鹿児島県の奄美大島で結婚披露宴や新築祝いでよく唄われる島唄であるらしい。
Aくんはその奄美大島出身の青年であり、島唄や島の文化に誇りを持っていた。都市部育ちで地元にさしたる誇りを持っていなかった自分はそれが羨ましかったし、そんな自分を少し恥じた。

とにかく。
Aくんのスピーカーから「朝顔節」を唄う初音ミクの声が耳に届いた瞬間、度肝を抜かれた。

「こ、これがボカロ!?俺が思ってた初音ミクと全然違う!!」

もっと機械的、もしくは萌え萌えしてる曲ばっかりだと思ってた。
めっちゃカッコイイ!
伝統的な島唄と先端技術の融合が素晴らしい。最初に初音ミクだと聞いていなければ、ボカロだなんて夢にも思わなかったであろう。
言われてみれば確かに機械的な響きはあるのだが、島唄独特の声の揺らぎや、頭の先をヒモで引っ張られていくような声の抜き方、声量の強弱、何もかもが新鮮で初体験だった。
きっと奄美大島出身の人で伝統的な島唄に馴染みがある人達にとっては、ボカロで唄われた島唄は到底認められる曲ではないかもしれない。
でも、Aくんも言っていたが、こういうのもあっていいと思う。

Wikiを見てみると、”ブンガPの配信シングル。 KarenTの初音ミク3周年記念企画で配信された作品の1つ。”とある。
んー、よくわかんないけど、ブンガPさんて人が何かの3周年記念の企画で初音ミクのシステムを使って初音ミクに「朝顔節」を唄わせたってことでいいのかな?

奄美民謡「 朝顔節 」 初音ミク – YouTube

島唄と初音ミクという、自分が今まで接してこなかった日本の文化2つが融合して一気に波となって私の耳に押し寄せ、私はそのまま離岸流にのまれてしまった。

旅先で会った良い音楽 <初音ミク 朝顔節>でした。


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