旅先で出会った音楽は時としてとても印象に残ることがある。
日常生活を送っていると、テレビのチャンネルは興味のある番組だけに変えるし、ネットでは興味のある話題のページだけをクリックする。
つまり、無意識的に見聞きする情報を自分の好きな情報だけに選り好みしている。
でも旅先だと、不意に自分が全く知らなかった角度から情報が入ってくることがある。
その時私はオーストラリアにいて、キャラバンパークといういわゆるキャンプ場にテントを張って過ごしていた。
そこのキャラバンパークはかなり自然の中にあって、奥には林があって川が流れていた。
日本人も結構いて、夜にはキャンプしてる何人かと時々たき火をしながら酒を飲んでだらだら談笑して過ごしていた。
ある夜、一人の日本人男性が「ちょっと音楽流していいすか」と言ってパソコンをスピーカーに繋げて音楽を流した。
闇夜に流れたその曲のあまりのカッコ良さに度肝を抜かれた。
なんだこのイントロは!なんだこの歌は!
オシャレだわ演奏うまいわで、たき火を囲んでいた全員がどよめいた。
音楽関係の仕事をしていたという男性によると、フランスのバンドで名前は「Hocus Pocus」、曲名は「Place 54」だという。
イントロからしてオシャレ感満載。
フランス語の歌がこれまた悔しいぐらいにオシャレ感満載。
Hocus Pocusはヒップホップやジャズやファンクをかなりうまくミックスしていて一つのジャンルには分類できない。
なまじ英語だと少しぐらい聞き取れる単語はないかと意識しちゃうけど、フランス語で歌われたらどうにもできないからBGMみたいに聴ける。
アメリカのヒットチャートからの情報ばかりじゃなく、知らない角度から不意に入ってきた情報だったから、すごい新鮮だった。
あたりは真っ暗で、たき火の明るさとたき火によって照らし出される数人の姿だけしか見えない中で突然流れてくる初めて耳にするカッコイイ曲。
現実感がなくて、なんだかとても素晴らしい時間を過ごしているような気持ちになったのでした。
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