前回、長崎県の平戸島のさらに向こう、生月島(いきつきじま)で溶岩流が冷えた固まった時に体積が減って縦に割れ目ができるという、柱状節理が見られる塩俵の断崖をご紹介しました。
これ↓

行き着いたら生月島①

生月島から私は佐世保へと自転車を走らせました。
九十九島の夕焼けを見るために!
なかなかしんどかったですが、日本を自転車で旅する以上、坂のアップダウンは宿命ですので文句は言いません。
展望台は船越展望台と石岳展望台とありまして、私は船越展望台に行きました。無料の駐車場もあります。
汗だらだらで自転車を数時間こいで、やっとの思いで辿り着くと、既に何人もの方々が立派な三脚に立派なレンズを備えたカメラを並べて待機しておりました。
ここからは、九十九島の島々を見下ろす事ができ、夕暮れ時には日本海の地平線に太陽が沈む様が見られるのです。
ちなみに有名な佐世保バーガーの本店はこの近くらしいです。私は行ってないんですけど。

自転車で旅していると、とにかくおっちゃんおばちゃんに話しかけられます。
この時も待機してるおっちゃんの一人に話しかけられ、定番の「どこから来たのか」と「どこまで行くのか」の会話をした後、おっちゃんの九十九島の夕焼けの写真を見せてもらいました。いやそれらの写真は本当にどれもキレイなのばかりでした。さすがに毎日のように撮りに来てる地元の人は違います。
さすがにおっちゃんの写真と比べると見劣りしまくりですが、そのおっちゃんがこのブログを見る事もないでしょうから恥ずかし気もなくのっけます。

まだ陽が沈む直前。
水平線に雲が広がっていて、「これは期待できる!」と思いました。
というのは、夕焼けはある程度雲があった方がキレイなのです。太陽の光が雲を赤く染め、それが空一面を赤く印象づける。
雲が無いと太陽とその周りだけ赤くて空一面まで広がらないんですよね。水平線沿いだけ赤くなって終わってしまう。
それはそれでキレイなんですけど。

太陽の位置はそこまで変わっていないのに、一気に空の色が変わってきました。
ちなみに、地元のおっちゃんが見せてくれた会心の写真は、空一面の雲が沈みゆく太陽を中心に大きく渦を巻いていながら赤く夕焼けに染まっているという、とんでもないものでした。
でもおっちゃんも、こういうのは何年も通って撮れるかどうかだと言っておりました。

どんどんと赤の濃さが増していき、海面に映る夕陽もますます長く伸びていきます。

広角レンズから望遠レンズに替えて撮ってみました。
右下にある、変わったシルエットの島が良いアクセントになっています。
とても変わったシルエットですね、横に長細い陸地でその真ん中にボコッと岩のような盛り上がりがあり、さらにその上にピョンピョンと2本だけ木が生えているという・・・。自然のイタズラって面白いです。

ほぼ水平線間近の太陽にズームイン!
線香花火の玉が落ちる寸前に大きく熱を持って膨張しているようです。
雲は一枚のように見えて実はいくつもの別の雲が幾重にも折り重なっています。
しかもその表情は刻一刻と変わっていっています。
雲が無い夕焼けより、雲がある夕焼けの方が私が好きな理由です。

日常生活を送っていると、朝焼けや夕焼けにそれほど注意を向ける事はなかなかありません。
そんな余裕や時間や場所が無いから。それよりもやらなきゃいけない事があるから。
でも旅をしている間にやらなきゃいけない事といったら、食べ物や寝床の確保とそれから移動です。
それぐらいシンプルな一日だと、自然と朝焼けや夕焼けを見る機会が増えます。
だってキレイなんだもの。その場所その時しか見れない風景があるんだもの。
海沿いの町に住むの、いいなぁ・・・。おっちゃんみたいに毎日夕焼けの写真を撮って過ごすの、いいなぁ・・・。



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