フィリピンの首都マニラから夜行バスで約10時間、イフガオ州にある棚田の町バナウエ。
そこからさらに乗り合いトラックに乗って険しく曲がりくねった道を奥へゆくと、Batad バタドというもっと小さく静かな町につきます。町というか、本当にただの集落みたいなところ。しかし、棚田に関しては、バナウエよりも断然すごい。バナウエだって相当すごいけど、バタドの棚田の凄まじさにはちょっと勝てない。
2000年以上続く棚田を求めてフィリピンのバナウエとバタドへ①
青々とした棚田の間を歩くおばあさん。本日の農作業はひと段落して家路についているのでしょうか。
バタドの町はすり鉢状になっていて、その内側が棚田になっています。下の写真の右上あたりに家が集まっているところがありますが、この奥に道があって、1時間ぐらい歩くと乗り合いトラックが止まる広場にでます。まず交通の便がとても悪い。一体、食料や日用雑貨はどうやって調達しているのだろうと思ってしまう。「あら、お醤油がきれちゃったわ、ちょっと鈴木商店さんとこまでおつかい頼んでいいかしら」なんて奥様に頼まれたら、半日かかります。
明らかに棚田の面積と住民の数の割合が合わない・・・。機械を使わず、これだけの面積を維持し続けるだなんて、恐ろしい・・・。
このように石階段があって、この石階段をひたすら上り下りしないと農作業ができません。夜歩く時とか、どうしてるんだろ。
バタドの奥にはこのような壮大な滝もあります。この滝を見に行くだけで汗だらだらになって階段をひたすら上っていかないといけません。滝壺近くには布を張っただけの更衣室もありますので水着があれば泳ぐことも可能です。汗だくになって辿り着いた後に冷たい滝壺に飛び込んだら、最高に気持ちいいだろうなぁ。水着持っていけばよかった・・・。
見てください、この角度!ほぼ垂直!なんかもう凄まじ過ぎて笑えてきます。私はこの町に4日間程滞在しましたが、できればもっと滞在していたかった。毎日はぁはぁぜぇぜぇ言いながら歩き回って美しい棚田を眺める。見てて飽きない。だってそこには確かに、およそ2000年という気の遠くなるような時間の経過があり、綿々と受け継がれてきたイフガオ族の人たちの汗と苦労と豊作の喜びが眼前に佇んでいると感じられるのですから。
人間ってすごい。この町は、私が持っていた犯罪・娯楽・売春・貧困というような、フィリピンに対する漠然としたネガティブなイメージを根底から覆してくれました。もちろんそういう場所もある。けど、安易なお金儲けのやり方に惑わされる事なく先祖代々から受け継いだ仕事に従事する素晴らしい人達が暮らす場所がここにはある。
旅写真ギャラリー <クレイジー過ぎる棚田>
2000年以上続く棚田を求めてフィリピンのバナウエとバタドへ①
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