日時 2010/05/22
場所 インドネシア カリマンタン島とスラウェシ島の間の海上
F値 5.6
露出時間 1/60
国内でも海外でも、旅してると夕焼けや夕陽を見る機会が増える。
忙しく仕事に追われる日常生活よりも外にいる時間が多くなるからだろうな。
今までたくさんの夕焼けを見てきたが、この夕焼けは自分にとって特別だ。
村上春樹が「ノルウェイの森」で描写したような、憧憬が呼び起されてうっかり泣いてしまいそうになる、そんな夕焼けだった。
場所はインドネシア。都ジャカルタから遠く離れた海の上を進むフェリーの甲板で私はこの文字通り空一面が燃えるような夕焼けを眺めていた。
それはまるでただの気象現象ではなく、自分の心象が反映されている気がした。
私はとても感傷的かつ満たされた心境になっていた。
インドネシアで会った人々から受けた親切や厚意がココロに染みわたっていたから。
もし楽に移動する事を求めて船ではなく飛行機を使って移動していたら得られなかった経験。
もし自分がこの先も行く先々で色んな人に親切にされてもなお、新鮮な感動を失わずにいられるだろうか。
もし自分が日本でお互い話せる言語が合わず言葉が通じない外国人と知り合ってもなお、偏見を持たず親切に歓迎する事ができるだろうか。
どんなに経済的に豊かな国でも、観光地が素晴らしくても、接した人々が悪ければその国の印象は悪くなる。モノや観光地よりも「人」そのものの方が国のイメージを形作りやすい。
私がこうしてインドネシアの人達はみんな人懐っこくて良い人ばっかりだったと他の人に伝えているのと同じように、私が出会ったインドネシアの人達は「この前会った日本人はなかなか悪くない奴で・・・」と誰かに伝えてくれているかもしれない。
きっと自分の言動一つ一つが日本の形を作っていっているんだ。
いま自分が日本人てだけで親切にしてもらったのは、自分が何か特別な事をした訳では決してなく、過去の日本人の誰かたちのおかげなだけだ。
だから、日本を出て海外を旅する時、私は先人達への感謝の気持ちを感じている。
ダメだな。夕焼けを目の前にしてると、感傷的になってどうも分不相応な理屈を口走っちゃって。
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