10年ぐらい前に初めてタイに来た時から、パーイってところが良いらしいという噂は時々耳にしていた。特に欧米人バックパッカーに人気らしいと。
でもその頃は初めての大都会バンコク、世界中からバックパッカー達が集まるカオサンロードが新鮮で楽しくて、パーイを訪れることはしなかった。
場所もちゃんとどこかわかっていなかった。

でも先日久しぶりにタイに来て、既にバンコクは新鮮ではなくパーイに行ってみる事にした。
ちょっと調べたら、パーイはチェンマイから行けるみたい。
バンコクのモーチットバスターミナルから夜行バスでまずチェンマイへ向かう。20:50発、06:00着。618バーツ(2200円ぐらい)。
バスは思ってたのより小さかった。自分の他にはタイ人しか乗っていなかった。欧米人はダブルデッカーのVIPバスを使うのだろうか。
それでも水や弁当やオレンジジュースやお菓子が配られたのでサービスは良かった。エアコン付きでブランケットもあったし。

チェンマイのバスターミナルに朝6時に着き、すぐパーイ行きのバスのチケットを買った。一時間に一本ペースでバスは出ていて、06:20のにすぐ乗れたけど疲れてたから07:20のチケットを買った。150バーツ。3時間でパーイに着くようだ。
待ってる間に、夜行バスで配られた弁当を食べ朝ごはんにした。
バスは、バスではなく15人乗りぐらいのミニバンだった。なぜバスではないのかは後に知ることになる。
私の隣はタイ人の中年男性で、乗ってる間寝るのは全然構わんのだけど、顔を常にこちら側に向けて寝てるし、時々足とか荷物が私に当たるのでイライラした。
バスがチェンマイを抜けてしばらくすると道は山道にさしかかり、進むにつれて上り坂になり、当然カーブが増えていった。
カーブはどんどん切れ味鋭くなり、ヘアピンカーブの連続になった。バスは一度ドライブインで15分ほどのトイレ休憩をはさんでまた出発した。
しかしこのドライバーの運転はかなり荒かった。
車線は無視しまくりだわ追い越ししまくりだわで、体が左右にぐわんぐわん振られた。何かにつかまっていないと耐えられないぐらい。
ふと隣に座っていたタイ人の中年男性が目を覚まし動いたかと思うと、おもむろにカバンからビニール袋を取り出し、オエエエーーーと吐いた。
おいおいマジかよ!
ドライバーが気づいて窓を開けただけで、他の乗客は誰一人無反応。え?そうなの?
私は隣だし「Are You OK?」ぐらい声かけた方がいいのかなと心配していたが、心配しているうちにタイ人の男性はまたこっちに顔向けて寝始めた。手には吐しゃ物入りのビニール袋を持ったまま。
おいおいマジかよ!ふざけんな!こっちに顔向けんな!間違っても寝ゲロだけはすんなよ!
と、私は体を一生懸命端っこに寄せて、1秒でも早く着きますようにと願っていた。

無事ゲロをかけられることなくバスがパーイに着いた。あー、怖かったー。

これがミニバン。限界まで乗客を乗せるので荷物は上に乗せる。
確かに、普通の大きなバスではあのヘアピンカーブの連続はしんどそう。

宿はもう予約してあった。バンコクにいる間にBooking.comで探して予約しておいたのだ。(前置きが少し長くなりましたが、ここからが今回の記事の本題です。)
普段自分が泊まった宿をこういった記事で取り上げることはしないんだけど、今回パーイで泊まった宿はマジで最高だったので、のっけちゃいます。

宿の名前は「JJ&J GARDEN」。
Booking.comでパーイの宿の一覧で色々見比べてたら、価格が安いだけでなく、朝食付きで、さらにプールがあると書いてある!プールだと!?
写真見ると確かにある。でも今まで数々の安宿に泊まってきてプール付きの宿があったけど、だいたい管理されてなくて使用不可の状態だった。だから期待しない方がいいなと思った。
しかも場所が中心地からまぁまぁ離れていて割と不便そうだった。
プールは無いけど安くて中心地に近い無難な宿にするか、使えるかどうかもわからないプールの為に不便なロケーションの宿を取るか、悩んだ。
悩んだ挙句、プール付きの JJ&J GARDEN を試してみることにした。プール使えなくても安いには安いし。

パーイは3泊ぐらいでいいかなと思っていたので、ドミトリーで3泊予約した。払った金額は3泊でたったの374バーツ!!(*会員割引適用)
会員割引が無くても1泊あたり140~150バーツぐらいだろう。日本円で約500円!やっす!

パーイバスターミナルからグーグルマップを頼りに20分ぐらい歩いただろうか。11時半頃に JJ&J GARDEN に着いた。
ちゃんと確認しなかった自分が悪いのだが、 JJ&J GARDEN では13時からチェックイン受け付けらしく、しかもドミトリーにまだゲストが残っていたのでしばらく待った。
対応してくれた JJは一目で良い人とわかる、にこやかなおっちゃんだった。
あ、プールでゲストが泳いでるのが見える!プール使えるんだ!
13時頃まで待ってる間に、フランス人男性が一人やってきて、二人同時にドミトリーにチェックインした。
フランス人男性はディムという名前で、やはりプール目当てで来たと言っていた。

という訳で、プールの様子を。

こんな感じです。予想以上にちゃんとしてた。
長さはどうだろう、10メートルはないぐらいだろうか。深さは身長163センチと小さ目の私でちょうど首あたりに水位があったから1.5メートルぐらいかな?
管理具合が気になっていたが、太陽光発電を使って常に水を循環させていたので全く問題なかった。

プールを使用するにあたり、注意点なども掲示されていて、ビールはもちろん飲食禁止。
シャワーとトイレもすぐ目の前にある。
周囲は民家や畑やめったに離着陸が無いエアポートで、夜はとても静か。

ドミトリーは4人部屋で、おそらく男女分かれている。
セーフティーボックスもあるじゃんと思って使っていたが、ディムに「これ鍵全部同じで開けれるから全然セーフティーじゃないよ」と言われ、試してみたらほんとだったので自己管理することにした。
エアコンは無いがファンがある。パーイ自体が高地にあり蒸し暑くないので、7月下旬でも夜は涼しく、とても過ごしやすかった。
なお、バスタオルも用意しておいてくれるのが大変ありがたい。
Wi-Fiはドミだとそこまで強くないが普通だった。パソコンだと問題なく使えたけど、スマホだと時々接続が切れたりした。なんだろう、相性があるんだろうか。

7時から9時半まで食べれるフリーの朝ごはん。
コーヒーは粉のインスタントじゃなくカフェオレのサシェで飲めるのがいい。
しかも食パンだけじゃなくゆで卵がある!最高。

ドミトリーの目の前には椅子とテーブル、そしてハンモックがある。
唯一難点があるとすれば、ドミトリーのドアに鍵が無い。内側からのみかけられるが、外出時は開けっ放しにしておくしかない。
セーフティーボックスもあの有様なので、防犯面では不安を感じる人がいるかもしれない。
けど、パーイの外れのほうのさらに路地を入った突き当たりで、不審者なんてまぁまず来ないだろう。貴重品だけ自己管理してれば全く問題なかった。

私がいた時期はハイシーズンではなかったのか、ゲストは少なくて、プールは時々個室に泊まってる欧米人が入りに来る程度で、混み合う事はなかった。
なので私は朝起きてフリーの朝ごはんをいただき、ベッドでゴロゴロして、中心地へ歩いてローカルフードを食べて宿に戻り、軽く体をシャワーで洗ってから一人でプールでパシャパシャ遊び、近くの商店でビールを買ってきて飲み、ハンモックに揺られ、また夜になったら中心地行ってビールを飲みながらローカルフードを食べる・・・という最高の数日を過ごした。
時には午前中に1回、午後になってもう1回プールで遊んだ。
プールを独り占めしつつプカプカ浮かびながら空を流れる雲を見ていたら、「あれ?これマジで最高じゃね?」と思った。

私は小さい頃から泳ぐのと算数が大の苦手で、できるのは平泳ぎだけだった。大人になって背泳ぎのようなものができるようになったが、なぜか真っ直ぐ進む事ができない。クロールは息継ぎをしようとすると鼻からも口からも水が入ってくるのでちょっと無理。
そんなレベルなのでプールなんて避けて生きてきたけど、ここでは人の目を気にする事なく練習できたので、この宿にいる間に私はクロールの息継ぎのやり方を会得した。ついでにバタフライまでできるようになってしまった。ほとんど進まないけど。

チェンマイの宿も予約してあったので、3泊だけでチェックアウトしてチェンマイに戻ってきちゃったけど、別に用事があった訳でなかったので、もっと JJ&J GARDEN にいたかった。少なくとも2週間ぐらいは。
あと、特筆すべきは JJの人の良さ。彼は英語がほとんど話せなかったが常に笑顔で親切だった。奥さんは学校で働いてて少し英語話せて、奥さんもにこやかで良い人だった。
中心地から離れているとはいえ、歩いたら20分ぐらいなのだが、チェックアウトする際に希望すれば11時発でバスターミナルまでフリーでピックアップしてくれるのもありがたい。私も乗っけてもらった。

安くて、静かで、朝食があって、プールがあって、ハンモックがあって、ホスピタリティに溢れてて、とにかく最高としか言い様がなかった。
この宿に泊まりに来る為だけにタイに来てもいいと思うぐらい。
高いお金を払えば贅沢な宿で過ごせるのは当たり前なんだけど、時々安くても質の良い宿に出会える事があるってのが貧乏バックパッカー旅の醍醐味。
最高の宿と最高の時間をありがとう、JJ!

もし JJ&J GARDEN に泊まるならこちらで予約できますよ(宣伝ですけど)。→【Booking.com】世界のホテル割引予約

パーイもすごい良い所だった。その様子は次回で。


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