「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」

・・・という一文は鴨長明によって書かれた方丈記の中の有名な一文です。
ただハンモックに揺られて・・・。ラオスにある4,000の島々、シーパンドン①

私はラオスのシーパンドンの中の島の一つ、ドンデットの宿でハンモックに揺られながらボケーっとメコン川が流れているのを眺めながら、この有名な一文を思い返していました。
こんな短い一文で、河を言い表すのにここまで無駄が無く端的で的確・・・!鴨長明・・・天才!
そして河と水を時間に置き換えるとこうなります。

「ゆく時の流れは絶えずして、しかももとの時間にあらず」

河の流れも、時間も、流れていくのは止められない。過ぎ去ったものはもう二度と戻ってこない。だから一秒一秒を大事に使わないといけない。
確かに水は地球全体にとって有限の資源ですから水は大事に使わないといけません。
でも自分の時間は、地球全体にとって重要な有限な資源ではありませんし、自分で好きなように使えばよいのです。
むしろ、「何もしない」というのはかなり贅沢な事を知って欲しい。
せっかくだからとあくせく観光に走り回るのではなく、のんびりしててもいいじゃない。
「何もしない」というのは贅沢なのです。

メコン川がひたすら流れていて、自分はひたすらハンモックに揺られながらまどろんでいて。
ええ、いいじゃないですか、時にはそんなひと時があっても。
これが宿のカウチ。各部屋のカウチに必ずハンモックがついていて、目の前のメコン川が望めるようになっています。

よく見ると写真中央に牛がいます。雑草を食べながらこの辺をうろついていました。

こちらは宿の裏側。部屋の中から撮ったものです。
一面田んぼ。藁葺きの小屋。雨の中走る軽トラック。篠突く雨。
別に雄大な景色とか荘厳な建築物とか水着姿のおねーちゃんがたくさんいる賑やかなビーチとか、そんなんなくてもいいんです、旅先に。
そりゃ時々はそういう観光地も行ってみたい。
けどいつもいつもそんなん見てたらお腹いっぱいになっちゃう。
それよりも、こうやってのんびりとしたところで、時間を無駄に過ごすのも贅沢な旅の仕方です。

メコン川は水量は多いのですが川幅が結構あって、流れはゆるやか。
なので、子供達は川に飛び込んでよく遊んでいます。
時にはノリの良い欧米人バックパッカーも飛び込んでます。
けど、こんな茶色い水だとさすがに「よっしゃ俺も!」という気分にはなりませんでした。



ハンモックに揺られるだけじゃなく散歩もします。
このドンデットという島とお隣のドンコーンという島をつないでる橋を渡り、南へしばらく歩いていると、ちょっとした滝のようなところがあります。けど、日本でいう滝とは違って、ここのは川幅が狭くなって流れが急になるってだけでした。
上の写真と見比べてもらえれば、「ああ、うん・・・ちょっと流れが・・・アレだね。」とわかっていただけるかと。

ちょうど、この前テレビで見たんですけど、これは何かというと、魚を獲る為の仕掛けです。
写真左側にある木の枝を組んで作られているカゴを川に設置して、そこに魚が飛び込んでくるのを待つ・・・という何ともノンキな漁なのです。

こちらは、コーンパペンの滝です。
いやーこれを見に行くのはしんどかった。
この滝はドンコーン周辺ではないので、まずボートで本土に戻り、そこから数キロ歩かないといけないのです。
もちろんボート乗り場近くでバイクタクシー捕まえてお金払って行こうとしたのですが、このバイクタクシーが国道に出たとこで「ここまでだ」と言ってどっか行ってしまったのです。
ムカついたのでこうなったら歩いて行ってやる!と往復で十数㎞程(私の記憶が確かならば。ウソだったらすいません)を歩いて行って帰ってきました。

それだけ苦労した割に、滝自体は「ふーん、そうだね流れが急だね。」といった感想で、正直こんな事ならいつものように部屋のハンモックで寝てれば良かったと思うのでした。もちろん雨季か乾季かで滝の姿は全然違いますので時期によっては素晴らしい景観の時もあるでしょうけど。

宿ですが、もし夕陽が見たいのであればドンデットの北端、ゲストハウスやレストランが集まるエリアのちょっと西側にあるところを選ぶとよいかと思います。
近くにショップやレストランたくさんあるし、賑やかだし便利だと思います。
またレストランにもハンモックがあったり、座敷席に三角クッションが置いてあったりするので、非常にのんびりできます。

本当に、ハンモックに揺られのんびりするのには最適な場所です。シーパンドン。
写真にはないですが、歩いていると、犬や猫はもちろん、ニワトリが何匹もその辺を駆け回ってるし、ブタだって牛だって歩いてるし、島民は素朴な生活をしています。なのにゲストハウスや観光客相手のレストランにはWi-Fiが飛びまくっていて、なんか不思議というか、島民の素朴な暮らしが欧米文化の悪影響を受けてこの先変わっていってしまうのではないかと思います。

ここから十数キロ南へ走ればもうカンボジア国境ですので、適当な旅行会社でバスを予約してカンボジアへ渡れます。
せっかくラオスまで来たなら、ビエンチャンとバンビエンとルアンパバーンだけだなんてもったいない。
パクセーだって近くに世界遺産あるし、シーパンドンはのんびりできるし、南にも足を運んでいただきたい。
ラオスはとてもいい国なので近々また行きたいと思っています。



にほんブログ村 旅行ブログ 旅日記・旅の思い出へ

ゴールデントライアングルとオピウム博物館①
気分はパイレーツオブカリビアン? ベトナムのハロン湾①
旅の一コマ <ベトナムで盗難被害>
トップページへ

こちらもどうぞ

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です