そこはとても不思議な空間でした。
マハーバリプラムというインドの南部の街で、細い路地の先に人の流れが絶え間なく続いていて、私は宿に戻るのを後回しにして何があるんだろうと続いて行ってみたのです。
転がらない不思議な岩、クリシュナのバターボール①
転がらない不思議な岩、クリシュナのバターボール②
転がらない不思議な岩、クリシュナのバターボール③
そこは海岸でした。しかし海岸は、まるで難民キャンプのように大勢のインド人達で埋め尽くされていたのです。
どこまで見渡してもインド人インド人インド人・・・!
色とりどりの布を砂浜に木の枝で張り、家族分のスペースを確保したのがずっと向こうまでひしめきあっています。
ある程度奥まで進んで振り返ると、視線の先に、海岸寺院が見えました。
みんな海岸寺院にお参りに来たんでしょうか?でも自分が海岸寺院を訪れた時はそんなに混みあってはいなかったはず。
きっと別の理由で集まっているんだ。何だろう・・・。
それにしても石を投げれば子供に当たるぐらいたくさんの子供がいる。
少子化に悩む日本ではこの子供の数は考えられない。
貧乏子沢山というのはきっと本当なんだろうな。
疑問に思うのは、日本人の生活は経済的に裕福なはずで、それなのに子育てする経済的余裕があまり無いから子供を作り辛いと感じている人が多い事。
裕福な日本人達が子供産みにくくて、貧しいインド人達の方が子供産みやすいってどういう事?いや、産みやすいじゃなく、産んで働き手になってもらわないと困るから産まざるを得ない?
あれ?女の子?男の子?・・・と思ってカメラを向けたら、怖がって泣いてしまいました。ごめんね。
海に入ってはしゃぐインド人がたくさんいました。
けど波打ち際には遊泳禁止の看板が立っていて、波が高くて危険で死亡事故が多発してますよと警告してありました。そういうのも全然気にしないのね・・・。
しかもみんな水着ではなく、普通の普段着ではしゃぎ倒してます。女性だってサリーのまま海に入ってます。
この辺にシャワーなんて見当たらないけど後でベタベタするの気にならないのかな・・・。この後寝るのは砂浜に敷いた布の上なんでしょ?
波打ち際に、建物の跡がありました。コンクリが使われているようなので、古い遺跡ではなさそうです。
あー、びっくりした。価値のある遺跡がないがしろにされてこうやってただの足場になっているのかと思った。
・・・とホッとしたのもつかの間、本当にこの辺にも遺跡があったのか、石像が洗濯物干し場かつ子供の遊び場になっておりました。おいおい・・・。
長い間おざなりにされて洗濯物干されて子供達にのぼられまくったのでしょう、輪郭がすっかり滑らかになってぼやけてしまっています。
これに似た石像を海岸寺院でも見かけました。これ↓
ね?そっくりでしょ?
狛犬のような動物のヒザの上に弓を持った神(?)がいて、お腹の部分が四角くえぐれていて、そこにもシヴァのような神がいるという、なかなかいい感じの石像が。まだ輪郭もはっきりしています。
そうこうしてる内に、すっかり日が暮れていきました。
波打ち際に、やはり建物の基礎の跡が残されています。
近代の建物なのか、古代の遺跡なのか。
一体、今夜この海岸で何百人・・・いや何千人?のインド人が夜を明かすのか。
インドの事は、理解しようとしてもわからない事だらけ。
日本では何かと考えられない事が目の前で起こる国、インド。
なんなんだよもうっ!
転がらない不思議な岩、クリシュナのバターボール①
転がらない不思議な岩、クリシュナのバターボール②
転がらない不思議な岩、クリシュナのバターボール③
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